ボランティア・市民活動 はじめの一歩

<目次>

  • はじめに
    • ※ボランティアという言葉の意味
    • ※活動する上でよくいわれる四原則
    • ※多種多様な活動分野から…
  • NPOについて
    • ※ボランティアは個人を表します。組織となると…?
    • ※それで、いろんなNPO「民間非営利組織」を見てみよう!
    • ※特定非営利活動法人(略称:NPO法人)
    • ※福祉分野だけがボランティアではない
  • 活動事例
    • ※ここでは、NPO法の17分野で活動の例をあげてみます
  • 活動マナー
    • ※さぁ!それではボランティア活動にチャレンジ!
    • ※自分も、相手も、気持ちよく…
      ~活動する上で気をつけたい4つのポイント~

はじめに

最近、「ボランティア活動とか市民活動ってよく言われるけど、ボランティアってどんな人?、市民活動ってどのような活動!?」とご質問される方が少なくありません。
そこで、三木市民の方々がある程度共通した考え方で、さまざまな活動に取り組んでいただこうと、基本的な考え方を記載いたしました。

ボランティアという言葉の意味

* 「ボランティア」の語源は、「意志」「善意」 の意味をもつラテン語の《VOLUNTAS(ボランタス)》だといわれています。 ボランティア(volunteer)とは、「志願者(自分からあることをやりたいと申し出た人)」あるいは、「自分から申し出る」という意味の英語です。しかし、もうすっかり日本語になっているようですね。
国語辞典を引くと「自分からすすんで社会事業などに奉仕する人」と記してあります。

活動する上でよくいわれる四原則

私も何かしたいな!やりたいな!
●自分からすすんで行動する…「自主性・主体性」
ボランティア活動は、自分自身の考えによって始める活動であって、だれかに強制されたり、また、義務として行う活動ではありません。 友人から誘われたり、たとえば学校や会社の行事として参加したり、テレビや新聞で見かけたり…。 どんな小さなきっかけでも、自分自身の「やってみよう」という気持ちを大切にすることから、ボランティア活動がはじまります。
一人だと不安だけど、仲間がいれば…
●ともに支え合い、学び合う…「社会性・連帯性」
わたしたちの生活する周囲にはさまざま課題が存在します。 こうした課題を発見し、改善していくためには一人ひとりが考え、多くの人びとと協力し合いながら力を合わせて行動することが大切です。
私にとっての楽しみ!
●見返りを求めない…「無償性・無給性」
ボランティア活動は、活動を行うことによって、多くの人々との出会いやつながり、感動、そして生きがいといった精神面の報酬を得る活動であり、個人的な利益や報酬を第一の目的にした活動ではありません。 (ただし、交通費や食費、材料費などの実費弁償については無償の範囲であるとしています。 )
新しい方法をどんどん提案できるんだ!
●よりよい社会をつくる…「創造性・開拓性・先駆性」
目の前の課題に対して、何が問題なのか、そして、改善のためにはどうすればよいか。 ボランティア活動では、従来の考え方、取り組みにとらわれることなく、自由な発想やアイデアを大切にしながら、方法やしくみを考え、創り出していくことが大切です。

多種多様な活動分野から… あなたはどのような活動を希望しますか?

何のために
お年寄り、子ども、障害を持つ人などの役に立ちたいのか。自然環境の保全や国際貢献などをしたいのかなどを考えられていますか?
何を
特別な資格や技術、知識、特技などをいかした活動を望まれていますか?
いつ
どの程度の時間や、一週間のうち何曜日に活動できるかの希望を示しましょう。
どこで
学校、自宅、地域など、ふだんの生活の中で活動をしたいのか、それとも、施設や病院などへ出向いてしたいのかを考えておきましょう。
だれと
自分一人で活動するのか、友人たちと一緒にするのか、また、既存のボランティアグループに入会して活動するのかを考えておきましょう。

NPOについて

ボランティアは個人を表します。組織となると…?

個人で行う活動の他にグループ・組織を立ち上げ、メンバーとして所属しながら活動する場合もあります。 組織の形態としてNPOをいう言葉が最近よくつかわれます。
この言葉は、Non-Profit Organization (ノンプロフィットオーガニゼーション)という英語の頭文字をとった言葉です。 日本語に直訳すると「民間非営利組織」を意味します。

それでは、いろんなNPO「民間非営利組織」を見てみよう!

*

特定非営利活動法人(略称:NPO法人)

国において、「特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与する。」ことを目的に、1998(平成10)年3月に「特定非営利活動促進法」を制定。その法律によりNPOが法人格取得の申請を行い、認証を受けたものがNPO法人です。

福祉分野だけがボランティアではない

ボランティア活動が多彩であること・・・それはつまり個人の尊重と多様性を取り入れた共生文化の創出に基づいて活動が取り組まれているからです。

高齢者や障がい者、児童等の対象者を主眼を置いて福祉サービスを提供していた時代から自分達が住む地域に主眼を置き、こどもから高齢者まで障害がある人もない人も、すべての住民が地域においていきいきとした生活が送れるよう、さまざまな人や団体がつながり、ネットワークをつくりながら社会の課題の解決に取り組む活動へ拡がりを見せています。

趣味や生涯学習サークルであってもその知識や技術等を社会に役立てる(社会化)活動を行う場合、その活動もボランティア・活動と定義されます。教育、文化、芸術、スポーツ、環境、国際協力、まちづくり、人権など幅広い分野でボランティアが活躍しています。



活動事例

ここでは、NPO法の17分野で活動の例をあげてみます

1. 保健・医療・福祉
保健や医療に関すること、高齢者や障害者の生活に関する活動
(介護サービス、手話通訳などの活動)
2. 社会教育
学校教育を除き、主として青少年や成人に対して行われる生涯学習などの組織的な学習活動。
3. まちづくり
住民自らがまちづくりについて考えたり、地元の様々な資源を生かした取り組みや商店街の活性化などの活動。
4. 文化・芸術・スポーツ
文化・芸術・スポーツなどを、身近に感じてもらうための活動(地域楽団・劇団を招いたり、伝統文化の復興・継承、スポーツ教室の活動など)
5. 環境安全
野生動物の保護、森林保全、リサイクル運動、公害調査や公害の防止活動などの環境を守るさまざまな取り組み。
6. 災害救援活動
災害から市民の生命・財産を守るための取り組みや、行政・関係団体との連携しながら進める、被災者の救援活動や防犯活動。
7. 地域安全
地域の子供や女性・高齢者を様々な危険から守るための活動。地域での交通安全活動、犯罪者の防止活動など。
8. 人権の擁護・平和の推進
憲法で保障されている基本的人権を守ったり、在日外国人のサポートや、平和を守り戦争を起こさないように働きかける取り組みなど
9. 国際協力
国際社会の平和と安定のために、外国の様々な問題の解決や軽減を目指して協力する取り組み。
10. 男女共同参画社会の形成
女性の権利を守るだけでなく、男女が豊かに生きられるような社会づくりに向けた取り組み(女性の労働環境改善やDV防止の取り組み)。
11. 子どもの健全育成
地域での子育て支援や不登校児を支える活動、児童虐待防止など、子どもの穏やかな成長を図る活動。
12. 情報化社会の発展
情報化支援、インターネットを利用した学習システムの普及啓発活動など、情報通信技術手段の活用を図る活動。
13. 科学技術の振興
科学技術を開発し普及させること、または現在活用されてはいないが、優れた技術を普及させる取り組み。
14. 経済活動の活性化
新しく起業する人を支援する活動や地域全体の経済活性化の促進を図る活動、序ミュニティ・ビジネスの研究・支援など。
15. 職業能力・雇用機会拡充
実務に役立つ資格の取得を支援する活動や就労を希望する人への就労支援、就労情報の提供、雇用の創出を図る活動。
16. 消費者の保護
消費者に対して商品に関する情報提供、商品知識の普及を図る活動など。悪質商法から消費者を守る活動も含まれる。
17. ボランティア・NPOへの支援
ボランティア・市民活動団体の運営や助成窓口・活動相談を通じた、さまざまな活動団体の支援や情報提供・ネットワークづくりなどの取り組み。

活動マナー

さぁ!それではボランティア活動にチャレンジ!

ボランティアが来ると「活動に活気が出る」「新しいアイデアをもらえる」「たくさんの人に社会の課題を知ってもらうきっかけになる」など受け入れるボランティアグループやNPOにとっても支援の対象者となる方にとっても得るものが数多くあります。
一方で受け入れ団体の方から「ボランティアさんのこんな行動に戸惑った」という声が聞かれる場合があります。ボランティアさんを受け入れている現場の声を紹介しながらボランティア活動を行う上で気をつけたいことを紹介します。

*

「あたりまえのことですが、あいさつはきちんとしてほしいですね。」

気持ちの良いあいさつは基本中の基本。受入れ団体のスタッフに対してだけでなく、利用者の方や、ほかのボランティアさんたちにもきちんとあいさつ・自己紹介ができるとお互いの距離が縮まり、信頼感もアップします。

「友達同士でボランティアに参加してくれるのはいいことなんですが、遊びではないのでわきまえてほしいですね。他のボランティアさんや利用者さんと話をしないで友達同士でおしゃべりばかりしている人がいました。」

友達同士で集まっておしゃべりをしているのは格好悪いし相手に失礼。知らないひとばかりで恥ずかしかったり、話しかけにくかったりするかもしれないけれど新しい人や社会と出会える貴重な機会ですからボランティア先の人たちとの交流を大切にしましょう。

「何の連絡もなしに遅刻したり、休んだりされるのは困りますね。受け入れるほうはスタッフの数を調整したり、ボランティアさんにやってもらう仕事を準備したりしていますから…。事前に電話を一本くれるだけでもだいぶ違うんですけど…。」

時間の他にも持ち物、服装、活動のルールなどいろいろな約束事があります。ボランティアされる側の気持ちや安全を配慮して決められた大切な約束事ですからしっかり守りましょう。休んだり、遅れたりするときには、事前に電話を入れておきましょう。

「分からなくても質問してくれないボランティアさんにはどう対応していいのか困ってしまいます。」

分からないのは当たり前。分からないことや困ったことがあったら遠慮しないでスタッフや利用者の方に聞きましょう。

*

「言われないと動いてくれないボランティアさんにも戸惑います。
逆に気付いたことをどんどん言ってもらえるのは嬉しいですね。」

ボランティアは自分が気付いたこと、できることを自分からやっていく、自主的な活動です。「こうしたらもっといいのになぁ」と思ったことはどんどん実行してみましょう。

自分も、相手も、気持ちよく・・・
~活動する上で気をつけたい4つのポイント~

あなたのボランティア活動が良い経験となるために、そして次のボランティア活動へのステップにつなげるために活動の上で気をつけたい4つのポイントをご紹介!

1. 無理なく継続できる計画をたてよう!
会社や学校、また他の予定なども踏まえながら、自分の生活にあったペースで行動しましょう。無理をしないことが長続きの秘訣です。
2. 相手や関係者の立場を尊重しよう!
自分の思い込みだけで行動するのではなく、まず相手が何を必要としているのかを知ることが大切です。そして、活動先の人や他のボランティアさんたちとのチームワークを保ち、違いを認め合いつつ共通の目標が何かを常に忘れないことが大切です。
3. 約束・ルールは必ず守ろう!
自分の意思ではじめたボランティア活動として、相手がある活動は特に責任が伴います。相手と相談して決めた活動内容や時間、活動で知り得た個人情報をむやみに話さないなど活動先での約束やルールは必ず守るようにしましょう。
4. 保険の加入をおすすめします。
活動中の事故や損害などを補償するボランティア保険などがあります。活動前に加入を検討しましょう。